変革を続ける ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)とは

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経営学修士号(MBA)の取得を目的としたビジネススクールと言えば、
米国とイメージする方も多いのではないでしょうか。
例えばハーバードビジネススクール(HBS)などが多くの人の頭に浮かぶと思います。
 
世界で評価の高いビジネススクールは米国に集中していることは事実ですが、近年、
英国の老舗ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)が高い評価を得ているのをご存知でしょうか。
 
老舗ブランドに甘んじることなく、
絶えず新機軸を打ち出してきたことが人気の秘訣だそうです。
 
時代に沿った改革を通して世界中の学生にアピールし、
ビジネススクールの世界ランキングでも米国勢が幅を利かせる中で上位を保っています。
 
例えば、グローバル化に伴い、
欧米だけではなくアジア各国におけるリーダーシップのあり方を
比較研究するプログラムを打ち出す、
起業支援のために事業展開に関するアドバイスや事業資金提供、
女性向けの複数の奨学金制度を設けるなどしています。
そうした絶え間なく変革を続ける姿勢が評価されているのです。
 

▮ MBA世界ランキング2位

 
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LBSはフィナンシャル・タイムズの世界のMBAランキング2015年度版では、
HBSに次いで2で、 例年米国勢が上位10校のうち6~7校を占める中、
欧州勢で唯一、10年続けて5位以内に入り続けています。
 

▮ LBSの概要

ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)は、
ロンドン中心部にある国際的なビジネススクールで、
ロンドン大学所属のカレッジです。
 
すぐ隣にはリージェンツ・パークがあります。
LBSでは、ファイナンスおよびマネジメントの大学院プログラムや、
基幹コースの経営学修士(MBAとEMBA)をはじめ、
企業経営実務経験者向けのスローン・フェローシップ、
ファイナンス専門家養成コースであるマスターズ・イン・ファイナンス(MiF)、
実務経験1年未満の人向けのマスターズ・イン・マネジメント、
博士課程で学位が認定されるほか、
学位が認定されないエグゼクティブ向け教育も行っています。
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毎年130カ国からの1,000人を超える留学生が学位を取得して卒業しており、
また毎年3,000人強のエグゼクティブがスクールの
エグゼクティブ教育プログラムを受講しています。
スクールの卒業生は合計で33,000人を超え、
その出身国は120カ国以上にのぼっています。
卒業生は、65以上ある卒業生クラブに所属しています。
 

▮ イギリスのMBAの特徴

イギリスのMBA(他の修士過程も)の最大の特徴は、
履修期間が1年なところです。
これは仕事のブランクを最小限に抑えられる点と、
費用の面でアドバンテージがあります。
また、イギリスはアメリカより若干マイナーな分、
統計的なデータはありませんが、
ランキングの高い大学でも入学の難易度が若干低いようにも言われています。
 

▮ 日本からもイギリス留学が増えている

日本からも、近年、イギリスのビジネススクールに留学する人が増えています。
LBSにおいても日本人学生も毎年平均して10名前後在籍しています。
ヨーロッパでは、1年制のMBAプログラムが主流のため、
2年制に比べ、費用が半分ですむというのが大きな理由のようです。
 

▮ 国際性、グローバル化

また、ヨーロッパのビジネススクールの人種・文化の多様性
に魅力を感じる学生も多いようです。
ファイナンシャルタイムズ誌で、アメリカ以外のビジネススクールで、
1位にランクすることが多いロンドンビジネススクール(LBS)では、
学生の9割以上が国外からの留学生です。
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アメリカでは、留学生の割合は、全米のビジネススクール平均で31%、
私立のトップ校でも、それくらいです。(有名校でない方が留学生の割合が高い。)
これは、ヨーロッパのビジネススクールが、
早くから海外にキャンパスや事務所を開設し、
留学生の獲得に力を入れた結果といえるでしょう。
 
アメリカのビジネススクールも、20年前から「国際性、グローバル化」を叫び
、国内の応募者が減り始めてからは、
有名校でも留学生獲得のために躍起になりましたが、
あまり伸びていないようです。
イギリスのビジネススクールでは、グループプロジェクトで、
イギリス人が一人だけだったりするそうですが、
アメリカでは外国人が少数派です。
アメリカ人学生は、一般に留学生とは組みたがらないようです。
 

▮ LBSの強い分野

・Finance
・Strategy
また、Entrepreneurship, Organization  Behavior にも定評があります。
Entrepreneurshipの教授陣はその多くが実際に現場で活躍されている方々なので、
リアルタイムの経験に基づいた話を聞くことが出来ます。
日本人学生向け the Daiwa Anglo-Japanese Foundation
– Yoshitoki Chino Memorial Scholarshipという奨学金があります。
 

▮ 一流の教授陣

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LBS では、豊富なキャリア実績を誇る超一流の教授陣を揃えています。
大手経営コンサルタンティング会社であるBain&Company Inc.
UK.で、シニアパートナーを勤め、
実務経験が豊富なRobin Buchanan学長を始め、
MBAファイナンスのバイブル的教科書
「Principles of CorporateFinance」(「コーポレートファイナンス」)
の著者である、Richard Brealeyなど、
多くの超一流教授陣から直接学べるというのもLBSの魅力といえるでしょう。
 

▮ グローバルリーダーという名のクラスメイト

LBS には、明晰な頭脳と素晴らしいパーソナリティの両方を併せ持った
クラスメイトが世界中から集まっています。
彼らは、ビジネス・国際経験も豊富で、
一国々々の特質に熟知しながらもステレオタイプな視点に陥ることのない、
将来のグローバルリーダーとなることを約束された方々が集まっています。
このような世界の一流のクラスメイトと日々切磋琢磨し一生の付き合いができることは、
何事にもかえがたい財産といえるでしょう。
また、LBSのプログラムの特徴の一つとして、
グループワーク等は大変重視されており、抜群のリーダーシップと
チームワークの両方の能力を備えた学生が集まっています。
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▮ 学生数

学生数は大学院のみで約1000人強と小規模な大学です。
在学生の男女比は72:28と男子学生が多数を占めています。
 

▮ 入学難易度

MBAへの入学難易度は高く、入学者平均GMATは701点
合格率は非公開ですが出願者数や推定辞退率から20%弱と推測されています。
MBAの中では英国で最も入学難易度の高い大学となります。
 

▮ 就職力・経済界での活躍度

MBA卒業生の卒業3年後の収入は購買力平価換算で
160,988ドル(約1593万円)で英国で最も高い水準です。
一方、時価総額で世界上位500社の経営者の輩出力のランキングでは
2011年のランキングでイギリス国内で15位、世界全体で224位という結果になっています。
 

▮ MBAプログラム

ロンドン・ビジネス・スクールの基幹をなす15から21カ月のフルタイム・コースです。
毎年約400人が入学し、計800人がMBAに在籍します。
ロンドン・ビジネス・スクールの特徴のひとつとして学生の多様性があり、
2011年入学生(2013年卒業)は、66カ国から集まった403人で構成され、
31%が女性です。 イギリス国外からの留学生が約90%を占めます。
 
約80人ずつ5クラスに分かれ必修科目を受講した後、
約70種類の選択科目から最大15科目を選択します。
グループ・ワークが重視されており、
国籍・職歴が重複しない6, 7人からなるスタディ・グループ
に分かれて必修科目の課題に取り組みます。